訪日外国人向けの食卓サービスKitchHikeとAirkitchenを比べてみました

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訪日外国人向けの食卓サービスKitchHikeとAirkitchenを比べてみました

東京オリンピック関連のインバウンド、通訳案内士の法規制の緩和の影響などか旅関連のサービスが増えてきましたね。

今回は旅行サービスの紹介をするというよりはビジネスモデルの分解し、深掘りしていきたいと思います。

ちなみにインバウンドサービスはこちらをご参考にいただければ。

多様化する訪日外国人向けサービス

「タトゥー有」でも宿泊OKなどのニッチですが、需要はありそうですよね。

さて、それでは、今回は旅中のビジネスである料理の体験のサービスを比べていければと思います。

KitchHike

食べることが好きな人とつながる食コミュニティ。運営しているのは2012年12月設立の株式会社キッチハイク

料理を作る人と食べる人のマッチングサイト「キッチハイク」が総額2億円の資金調達、メルカリやMistletoeとの連携も予定

「初対面や見知らぬ人と同じ食卓を囲むことは、一見すると新しく見えますが実はとても古くから実施されている普遍的な行為です。そういった文化をサービス内で熟成することを考えています。またインターネットによって昔の人類には当たり前だった『つながるための食』を再び仕組み化したいと思っています」(山本氏)

1年以上前の記事で、メルカリアッテとも連携と書かれておりましたが、クローズしてしまいましたね。

中食ではなく、みん食。なんですね。

Airkitchen

料理で世界中の人と交流するサービス。運営しているのは2017年7月設立のZAZA株式会社

ZAZA株式会社が資金調達を実施。訪日外国人向けの食卓マッチングプラットフォーム、『airKitchen』のサービス展開を加速。

airKitchenは日本の家庭で料理を通して交流したい訪日旅行客と、家庭料理を訪日旅行客に振る舞いたい日本人ホストをオンラインで結ぶ「食」のシェアリングサービスです。訪日外国人旅行者はairKitchenを使うことで、旅行中に旅先の家庭を訪問し、現地の料理ホストと家庭料理を一緒に作ることができます。観光地を巡るだけの普段の旅行と比べ、より深く、よりリアルな日本文化を体験することができます。2018年4月からサービスを開始し、現在、ホストは主婦の方々を中心に400名を超える方々がユニークな料理体験を登録しております。また、旅行者は世界40カ国以上から毎月100名以上が日本で家庭料理体験を楽しんでいます。

旅行の目的を広げる「airKitchen」。日本料理文化を家庭で体験するシェアリングサービス

「airKitchen」は2017年8月に日本でホスト向け登録を開始。現在は東京を中心に250人以上の日本人料理ホストが登録している。今年2月には訪日外国人向けにサービスをプレリリースし、約20か国の訪日外国人が2カ月で日本の家庭料理を体験した。

学生起業家で愛知を拠点に活動しているんですね。日本食を外国人に提供するであったり、中食文化をつくり続けているキッチハイクの恩恵を受けているかもしれませんね。

 

訪日外国人向けの食卓サービスってどうなの

外国人と知り合えて、楽しくご飯を食べるサービスなんてユーザー目線だと嬉しいですよね。運営側の立場でもやり甲斐のあるビジネスだと思います。ただ、実際のビジネスとして成り立つのか?

ホスト(ご飯を作る側)を集めるのは簡単だと思います。好きな料理ができ、外国人と交流ができ、お金を稼ぐことができるのですから。

個人のエンパワメントの流れに乗っかることができています。ただ、どれだけ食べたい、交流したいと思っている外国人ユーザーがいるのか、集めるのか?

ちなみにKitchHikeはサービス立ち上げ当初は外国人向けの食卓サービスとしてビジネス展開していましたが、今はみん食というコンセプトで展開しています。おそらく外国人のユーザー確保に苦戦したのでしょう。Airkitchenは訪日外国人向けのサービスに振り切っており、今後どうなるか。

KitchHike airKitchen
ホスト(ご飯提供する人) 日本人 日本人
ユーザー(食べる人) 日本人  外国人

 

訪日外国人向けの食卓サービスのビジネスドライバーは

もう皆さんお分かりのことでしょう。そうです、外国人への導線、客の確保です。ホストは勝手に集まって来ますからね。インバウンドビジネスにおける導線確保がとても困難です。airbnbがサービス立ち上げ当初、アメリカ最大のクラシファイドサイトであるCraigslisを利用し、グロースハックしたのは有名です。

グロースハック【Uber, Airbnb, Etsy】サービスプラットフォームの初期ユーザー獲得方法

ファウンダーであるBrianとJoeの二人はCraigslistに部屋を掲載しているユーザーの連絡先を一斉に収集するソフトを開発。そこに集められたユーザーに対して一斉に”Craigslistへの掲載と同時にAirbnbにも無料で掲載が出来ますよ”との内容のメールを送信したのだ。効果はバツグンで、多くのユーザーからの物件リスティングを獲得した。ユーザーにとってみれば、一つの物件をリスク無く2カ所にリスト出来るわけで、より多くの借り手を見つけやすくなる。加えて、AirbnbはCraigslistよりも詳細な情報と綺麗な写真、そしてスムーズな予約プロセスを提供していたため、人気が高まった。

このように訪日外国人向けの食卓サービス事業者も同じようにAirbnbをハックするのはどうだろうか。泊まりに来ている外国人に対して、日本人と交流ができて、しかも地域の料理を振舞ってくれるので満足度は高いのではないだろうか。

訪日外国人向けの食卓サービス比較図

KitchHike airKitchen
会社設立日 2012年12月 2017年7月
サービスコンセプト みんなで食べる「みん食」アプリ 料理で世界中の人と交流する
マネタイズ 手数料 手数料
分野 食のマッチング 訪日外国人向けの食のマッチング
ユーザー数 2万人(2017年8月時点)*1 400名(ホスト)*2
調達金額 2億 不明
投資家 Mistletoe、メルカリ、フリーバンクと東京TYファイナンシャルグループの共同創業支援投資ファンド、ベンチャーユナイテッド(2017年10月時点)  ミッドランドベンチャーズ、ラーニングアントレプレナーズラボ株式会社、山口豪志

*1:参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000006899.html

*2:参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000032842.html